慶尚北道は2月2日、聞慶市山北面に位置した「聞慶ドリーネ湿地」が、ラムサール条約の事務局が指定する「ラムサール湿地」として登録されたことを、明らかにした。
聞慶ドリーネ湿地は水が溜まりにくいドリーネ地形*に湿地が形成された、世界的に珍しい湿地である。
*ドリーネ(doline):石灰岩地帯の主要成分である炭酸カルシムが雨水や地下水に溶けながら形成された皿状の水たまりで、雨水などが地下へよく抜けて、通常水が溜まらない。
<聞慶ドリーネ湿地概要>
□ 現況
○ (位置) 慶尚北道聞慶市山北面于谷里一帯
○ (面積) 0.494㎢(49.4ヘクタール)
□ (生態的価値) 石灰岩地帯のドリーネに形成された内陸・山地型の湿地で、絶滅危惧種8種を含め、計932種の野生動物が生息するなど、豊かな生物の多様性が保全されている
○植物(466種)、鳥類(60種)、哺乳類(17種)、陸上昆虫(354種)、両生・爬虫類(13種)、大型無脊椎動物(22種)(2020年の調査結果)
< 聞慶ドリーネ生息絶滅危惧種の現況 >
* 絶滅危惧種Ⅰ級(1種) : カワウソ
* 絶滅危惧種 Ⅱ級(7種) : 大蛇、ゲンゴロウムシ、アカハラダカ、ヤイロチョウ、テン、ヤマネコ、エゾモモンガ
□ (国際的な価値) 一般的に排水が良いドリーネ地形に形成された独特な湿地として、国際的にその分布が珍しく、地形・地質学的価値を有する